マンション管理適正化法64条(管理業務主任者に対する指示及び事務の禁止)

【解説】

1.管理業務主任者に対する指示及び事務の禁止

本条は、管理業務主任者に対する監督処分として、第1項に「指示処分」、第2項に「事務禁止処分」について規定されています。

それでは具体的な指示処分事由、事務禁止処分事由について見て行きます。

2.指示処分(第1項)

第1項は、指示処分事由について規定されていますが、指示処分というのは、いわば注意処分のことで、監督処分の中では一番軽いものです。

この指示処分は、「国土交通大臣は ~ 管理業務主任者に対し、必要な指示をすることが『できる』」となっており、指示処分を「しなければならない」のではありません。

(1) 自己が従事している事務所以外の事務所で専任の管理業務主任者である旨を表示(第1号)

「専任」の管理業務主任者という以上、自己が専任の管理業務主任者として従事している事務所でしか、専任の管理業務主任者の表示ができない以上、当然です。

(2) 他人に自己の名義の使用を許した場合(第2号)

いわゆる管理業務主任者の名義貸しです。

(3) その事務に関し、不正又は著しく不当な行為(第3号)

抽象的な表現となっていますが、たとえば、重要事項の説明等の際に財産の分別管理について説明しなかったというようにマンション管理適正化法に違反している場合などが挙げられます。

3.事務禁止処分(第2項)

事務禁止処分というのは、管理業務主任者に対して、その事務を一定期間禁止する処分なので、重要事項の説明や、契約成立時の書面の記名押印、管理業務の報告などは、この期間に行うことはできません。

それだけではなく、管理業務主任者の設置義務のない事務所を代表する者又はこれに準ずる地位にある者として、管理業務主任者としてすべき事務を行った場合(第78条)も含まれます。事務禁止処分期間中に、このような行為が行われると、マンション管理業に対する指示処分等がなされることになります。

次に、この禁止の期間は、「1年以内」ということで、1年が限界です。

この事務禁止処分がなされるのは、下記の2つの場合です。

①指示処分事由に該当する場合
②指示処分の指示に従わない場合

指示処分事由に該当した場合、たとえば、管理業務主任者として行う事務に関し、不正又は著しく不当な行為をしたときに、その不正又は不当の程度が高い場合には、指示処分を行うまでもなく、いきなり事務禁止処分を行うことができます。