マンション管理適正化法47条(登録の拒否)


【解説】

1.マンション管理業の登録の拒否

マンション管理業を行うには、登録をする必要がありますが、誰でも登録できるわけではなく、本条に規定されているような者は、登録は拒否されます。

趣旨は、不適格な業者を排除しようということです。

ここは、具体的な登録拒否要件が重要なので、一つずつ見て行きましょう。

(1) 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの

マンション管理業者は、管理委託契約等の契約を行うものである以上、契約を行うのに必要な判断能力が必要です。したがって、成年被後見人や被保佐人は登録を拒否されます。

また、マンション管理業者は、修繕積立金等の管理組合の財産を扱うことがありますので、破産者は登録を拒否されます。この点は、マンション管理士とは異なります。

なお、次号以下に登録を取り消されたり、刑罰を受けた者は「2年間」は登録が拒否されるという規定がありますが、この第1号については、そのようなことはなく、成年被後見人や被保佐人が審判を取り消されたり、破産者が復権を得ると、翌日から登録を受けることができ、2年待つ必要はありません。


(2) 登録を取り消された日から2年を経過しない者

マンション管理業者として、一旦登録を受けても、マンション管理業者として不適格になれば、登録は取り消されます。

そのように登録を取り消された者が、すぐに再度登録を申請してきても登録するわけにはいきませんので、登録を取り消された者は、その取消しの日から2年を経過しない間は登録は拒否されます。

【参考】マンション管理士・マンション管理業者・管理業務主任者の登録の取消と欠格事由の関係


(3) 登録を取り消されたマンション管理業者が法人である場合の役員(第3号)

第3号は、第2号の続きの話ですが、登録を取り消されたマンション管理業者は、2年間は登録を受けることができませんが、その登録を取り消された管理業者だけでなく、その管理業者の役員をしていた者も、連座責任を問われ、2年間は登録を受けることができない旨を規定しているのが第3号です。

役員は、マンション管理業者の意思決定をしている者ですから、このような連座責任を問われるわけです。


(4) 業務の停止の期間が経過しない者(第4号)


(5) 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わった日から2年を経過しない者(第5号)

この登録拒否要件もよくある条文で、マンション管理士の登録のところでも解説しているので(第30条)、ポイントのみ書いておきます。

まず、禁錮以上の刑(禁錮、懲役)であれば、マンション管理とは関係のないどんな犯罪でも、この登録拒否要件に該当します。

また、2年間は登録を拒否されますが、これは「その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日」から2年で、判決の日からではありません。


(6) マンション管理適正化法違反で罰金の刑に処せられ、その執行を終わった日から2年を経過しない者(第6号)

これもマンション管理士の登録のところでも解説しているので(第30条)、ポイントのみ書いておきます。

罰金刑は、マンション管理適正化法違反の場合に限られます。それ以外の法律に違反して罰金刑になっても、2年を待たずに登録を受けることができます。

なお、本号は「罰金」に限られていますので、過料や科料では登録拒否要件には該当しません。


(7) 成年者と同一の行為能力を有しない未成年者の法定代理人が登録拒否要件に該当するもの(第7号)

民法で、制限行為能力者は未成年者、成年被後見人、被保佐人、被補助人の4種類ですが、第1号で成年被後見人と被保佐人が登録できませんが、未成年者と被補助人は登録できます。

そして、未成年者の場合は登録はできるけれども、成年者と同一の行為能力を有しない未成年者は、単独で契約等はできないので、どうしても法定代理人(通常は親)の同意が必要になってきます。

そこで、法定代理人が拒否事由に該当する場合には、未成年者は登録できないとしたのが第7号です。

「成年者と同一の行為能力を有しない未成年者」という言葉が出てきますが、成年者と同一の行為能力を「有する」未成年者というのは、婚姻することによって成年とみなされる場合(民法753条)や、未成年者が営業の許可を受けた場合(民法6条)です。

したがって、「成年者と同一の行為能力を有しない未成年者」というのは、上記の事情がない通常の未成年者のことです。


(8) 法人でその役員のうちに登録拒否要件に該当する者があるもの(第8号)

法人というのは、法人自身が法人格を持ちますが、あくまで抽象的な存在で、実際には法人の役員が意思決定を行うことになるので、法人の役員に登録拒否要件があれば、法人の登録も拒否されます。


(9) 事務所について法定数の専任の管理業務主任者の設置要件を欠く者(第9号)

事務所には、マンション管理業者が管理事務の委託を受けた管理組合の数が30組合に1人以上の割合で専任の管理業務主任者を置かなければいけませんが、このような要件を満たしていない者は、登録を拒否されます。


(10) 一定の財産的基礎を有しない者(第10号)

マンション管理業においては、災害等緊急時にマンション管理業者自らが諸費用を一時的に立替払する必要が出てくる場合があります(標準管理委託契約書8条)。

したがって、マンション管理業者自身の財産的基礎をしっかりするように定められています。

具体的な財産的基礎は、施行規則54条に規定があり、資産額が「300万円」以上あることです。

そして、この資産額の定義は、施行規則55条に細かい規定がありますが、「貸借対照表又は資産に関する調書に計上された資産の総額から当該基準資産表に計上された負債の総額に相当する金額を控除した額」とされています。