土地区画整理法96条(保留地)

【解説】

保留地というのは、区画整理後に誰の換地にも定めない土地(保留地)というのを定めておき、この土地を売却することにより、その売却代金で事業の施行の費用に充てたりするためのものです。

本条は、条文の引用があって非常に複雑な感じのする条文ですが、下記の表を見ますとその趣旨が分かってきます。

第1項の3条1項から3項というのは、個人施行、土地区画整理組合施行、区画整理会社施行の土地区画整理事業のことで、民間施行の土地区画整理事業です。

それに対して、3条4項・5項、3条の2、3条の3というのは、市町村・都道府県施行、国土交通大臣施行、都市再生機構施行、住宅供給公社施行の土地区画整理事業のことで、公的施行の土地区画整理事業です。

つまり、民間施行の土地区画整理事業の場合は比較的自由に保留地を定めることができて、「土地区画整理事業の施行の費用に充てるため、又は規準、規約若しくは定款で定める目的」のために保留地を定めることができます。

そして、事業の施行の費用に充てる場合でも特に制限はありません。

それに対して、公的施行の場合は、公的機関の都合で宅地の所有者等に負担を強いることはできないので、「規準、規約若しくは定款で定める目的」のために保留地を定めることはできず、「土地区画整理事業の施行の費用に充てるため」にだけ保留地を定めることができ、その場合でも「土地区画整理事業の施行前の宅地の価額の総額を超える場合」においてだけ、しかも「その差額に相当する金額を超えない価額」の範囲でしか保留地を定めることができません。

つまり、公的施行の場合は、宅地の所有者等に負担をかけない範囲でしか保留地を定めることができないということです。