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区分所有法58条(使用禁止の請求)

【解説】

共同の利益に違反する行為に対して、行為の停止等の請求によっては、区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、「使用禁止の請求」というのが認められます。

使用禁止というくらいですから、当該違反行為をしている区分所有者は、専有部分を所有しているにもかかわらず、自分の専有部分を使うことができなくなります。このようにして義務違反者を一時的に排除するわけです。

この使用禁止は、「相当の期間」とされていますが、この「相当の期間」は、一応義務違反者の所有権を認めつつ、使用を禁止する措置ですから、あまり長期のものは不適当ですから、数年程度が限界だとされています。

そして、この使用禁止というのは、当該区分所有者を対象としますが、家族等の占有補助者の使用も禁止されますが、他人に賃貸することは許されます。

以上のように、この措置は大変厳しい措置なので、「区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数の集会の決議」に基づき、「訴えをもって」しか請求することはできません。

また、当該違反行為をしている区分所有者に対して弁明の機会を与えなければいけません。