第7節 義務違反者に対する措置

【解説】

分譲マンションでは、これは一つの建物にいろいろな人が共同生活をしています。中には、他人に迷惑をかけるような行為をする人が出てきます。夜中に大きな音でカラオケを歌ったり、居住専用のマンションなのに、自分の部屋を事務所に使ったり、判例では暴力団事務所として使った、などというのも出てきます。これは困ります。

そこで、区分所有法は「区分所有者及び占有者は、建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない」(第6条1項・3項)と規定しています。

しかし、現実にはこの共同の利益に反する行為をする人が出てきた場合に対処するため「義務違反者に対する措置」というのが規定されています。

この問題を考えるにあたって、まず注意してほしいのは、義務違反者に対する措置というのは、区分所有者に対するものと、占有者に対するものがあるという点です。

上図を見て下さい。区分所有者Aがいて、その専有部分をBに賃貸しています。Bを占有者といいました。

この区分所有者Aが迷惑な行為(以後、「義務違反」または「義務違反者」といいます。)をしている場合と、この専有部分を賃借している占有者が義務違反者である場合で対処の仕方が異なります。

区分所有者に対しては、①行為の停止等の請求、②専有部分の使用禁止請求、③区分所有権等の競売請求、という3つの義務違反者に対する措置が出てきます。

同様に、占有者に対しては、①行為の停止等の請求、②契約の解除及び引渡請求、という2つの措置があります。

①行為の停止等の請求は、区分所有者対する措置と、占有者に対する措置の両方に出てきますが、これは両者に共通の措置です。