区分所有法50条(監事)
【解説】
1.監事(第1項)
管理組合には、、理事だけでなく、監事も必ず置かないといけません。必要的機関です。
これは、管理組合法人には行政上の監督が加えられていませんので、管理組合法人の財産状況や理事の業務執行を監視する機関が不可欠だからです。
法人格のない通常の管理組合においても、監事を置くことはできますが、これは任意の機関です。
2.監事の資格(第2項)
監事の資格については、理事又は管理組合法人の使用人と兼ねてはならないとされています。
そもそも、監事というのは理事の業務執行を監視するためにいるので、監視する人と監視される人が同じであれば、監視の意味がありません。
そこで、監事は、理事又は理事の監督下にある管理組合法人の使用人と兼任できないとされているわけです。
それ以外の資格については、理事と同様に考えられています。したがって、自然人に限られ、法人が監事になることはできません。
3.監事の職務(第3項)
監事というのは、普通の会社でいうと監査役です。会社の監査役に業務監査と会計監査というのがあるのと同様の仕事が管理組合法人の監事にもあります。
① 管理組合法人の財産の状況を監査(第1号)
これは会計監査です。会計(お金の出入り、使い方など)をチェックする役割です。
② 理事の業務の執行の状況を監査(第2号)
これは業務監査に当たるもので、簡単にいえば理事の仕事ぶりをチェックする役割です。
③ 集会への報告(第3号)
財産の状況又は業務の執行について、法令若しくは規約に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、集会に報告をすることもその業務になります。
④ 集会の招集(第4号)
集会の招集は、基本的に理事が行いますが、第3号にありますように、「財産の状況又は業務の執行について、法令若しくは規約に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるとき」には、監事は集会でその報告をしなければいけません。
しかし、理事が悪いことをしているときには、監事の報告のための集会は招集してくれない可能性が高いです。そのようなときは、監事自ら集会を招集できます。
4.監事の選任等(第4項)
監事の選任については、第25条の管理者の規定が準用されています。
また、任期・職務続行義務については、理事の規定が準用されています。