区分所有法38条(議決権)

【解説】

1.議決権

集会の決議は、「区分所有者及び議決権」というので決めます。この場合の「議決権」の内容を定めたのが本条の規定です。

そもそも区分所有法の議決権の要件は、普通決議、特別決議を問わず「区分所有者及び議決権」という形で決まっています。

「区分所有者」というのは、頭数(あたまかず)で決めるということで、要するに人数で決めるということです。

「議決権」というのは、「第14条に定める割合」ということですから、「共用部分の持分の割合」すなわち「専有部分の床面積の割合」によって定まります。

そして、「及び」ということですので、区分所有者の観点と議決権の観点の両方から決めるというのが、区分所有者の集会の決議です。

「議決権」(専有部分の床面積)が考慮されるのは、いわば財産的側面に応じて決めるということです。これは建物は財産である以上、よく分かります。そして、それだけではなく「区分所有者」(頭数)も考慮されるのは、区分所有関係というのは、単なる利益集団ではなく、一種の地域社会的性格を有するからです。マンションも一つのコミュニティーということです。

もう一つ注意して欲しいのは、この「区分所有者及び議決権」というのは、「出席」区分所有者を元に決めるのではなく、「総」区分所有者を元に決めます。したがって、「総」区分所有者及び「総」議決権の過半数等で集会は決議されることになります。

これは、たとえ過半数であっても意外に決議の要件は厳しいです。ただ、厳しすぎるのも問題ですから、標準管理規約などでは、「出席」区分所有者を元に決議することになっています(標準管理規約47条2項)。しかし、区分所有法上は、「総」区分所有者及び「総」議決権というは確実に覚えておいて下さい。

2.規約の定め

本条の規定は、規約で別段の定めをすることができます。

厳密に「床面積割合」で議決権を決めると、非常に複雑な数字になるので、簡単な数字に直したり、各区分所有者の所有する住戸1戸につき各1個とするなどがその規約の例になります。