区分所有法28条(委任の規定の準用)

【解説】

もともと管理者というのは、共用部分等の管理を区分所有者全員から委託された者であるから、管理者と区分所有者の関係は、法律的には委任又は準委任関係と考えられます。

そこで、区分所有法及び規約に定めるもののほか、管理者の権利義務は、委任に関する規定に従うとされています。

したがって、管理者には、善管注意義務があり、その注意義務に違反した場合、債務不履行等の法的な責任を問われます(民法644条、415条)。

また、管理者は、集会において、毎年1回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならないが(法43条)、それとは別に、管理者は、区分所有者の請求があるときは、いつでも委任事務の処理の状況を報告しなければいけませんし、職務が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければいけません(民法645条)。もっとも、この報告義務は、個々の区分所有者に対する義務ではなく、臨時集会等で全体に対して報告すればよいと解されます。

次に、任期途中の管理者を集会の決議によって解任することができるが(法25条1項)、そのためには、正当な事由の存在を必要としません。なぜなら、委任は各当事者がいつでも解除できるからです(無理由解除、民法651条1項)。

最後に、委任契約ですから、管理者は原則として無償で職務を行うことになります。