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区分所有法16条(一部共用部分の管理)

【解説】

本条は、一部共用部分の管理についての規定ですが、一部共用部分については法11条1項但書に規定があり、「一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者の共有に属する。」とされています。

一部共用部分が、「これを共用すべき区分所有者」の共有に属する以上、その管理も「これを共用すべき区分所有者」が行うとするのが素直かもしれません。

しかし、実際の一部共用部分において、下駄ばきマンションなどにおいて、一部共用部分を、一部の区分所有者の管理に委ねている場合もあるが、通常のマンションの廊下・エレベーターなどで具体的状況から考えて一部共用部分とすべきものがあったとしても、実際には全員の区分所有者で管理しているものが多い。

そこで、本条が規定されています。

すなわち、一部共用部分のうち、
①「区分所有者全員の利害に関係するもの」と
②「第31条第2項の規約(一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについての区分所有者全員の規約)に定めがあるもの」
については区分所有者全員で管理を行うが、

「その他のもの」は、これを共用すべき区分所有者のみで管理を行うことになります。

この条文は複雑だと思いますが、まず、一部共用部分というのを2つに分けます。

「区分所有者全員の利害に関係するもの」と「関係しないもの」に分けます。

ちなみに、「区分所有者全員の利害に関係するもの」というのは、具体的には一部共用部分の外装が建物全体の美観に影響を及ぼすような場合です。

そして、一部共用部分で「区分所有者全員の利害に関係しないもの」も、区分所有者全員の規約で定めることができます。

したがって、一部の区分所有者で管理する「その他のもの」というのは、区分所有者全員の利害に関係しない場合で、かつ、区分所有者全員の規約で定めがないもの、ということになります。