区分所有法14条(共用部分の持分の割合)

【解説】

1.共用部分の持分の割合

共用部分は、区分所有者の共有となるわけですが、共有だということになれば、民法でも勉強しましたように、共有者の「持分」というのが問題になります。

この共用部分の持分は、「その有する専有部分の床面積の割合による」ことになります。つまり、大きな専有部分を持っている人の持分が多くなるということです。

これは、専有部分の大小によって、販売価格に差がある以上、当然のことでしょう。

2.一部共用部分の持分の割合

共用部分の共有持分は、専有部分の床面積割合によるというのが第1項ですが、それでは一部共用部分を含む場合にはどのように扱いのが妥当か、というのが本項です。

「一部共用部分で床面積を有するものがあるときは、その一部共用部分の床面積は、これを共用すべき各区分所有者の専有部分の床面積の割合により配分して、それぞれその区分所有者の専有部分の床面積に算入する」としています。

たとえば、A、B、C3人の区分所有者がいて、それぞれの専有部分の床面積がA=50㎡、B=80㎡、C=120㎡だとします。

これにB、Cのみが共用する一部共用部分が50㎡あったとします。

この一部共用部分の床面積50㎡をB、Cの各専有部分の床面積の比率で配分計算すると、以下になります。

条文の表現は少しややこしいと感じるかもしませんが、具体的に上記の例で見てみると、それほど難しいわけではないと思います

以上より、結局、一部共用部分は、その使用面では共用部分としての性格をもちながも、持分の決定という財産権的な面では、むしろ専有部分的な扱いを受けるという特殊性をもつことになります。

3.床面積の算出方法

ところで、この専有部分の「床面積」の算出の仕方ですが、「壁その他の区画の『内側線』で囲まれた部分の水平投影面積」によります。

ここは、「内側線」という点がポイントです。「中心線」ではありません。

これは、建築基準法に規定がありますが、普通建物の床面積というのは、壁の中心線で測ります。

しかし、マンションの場合は、「内側線」になっているところがミソです。マンションの場合、コンクリートの壁というのは建物全体を支えているものですから、共用部分とされます。したがって、壁を含まない「内側線」が基本的には専有部分になるわけです。

4.共用部分の持分割合に関する規約の定め

ここでも「規約で別段の定め」をすることができます。

具体的には、全戸が同じような間取りのマンションの場合、厳密に床面積で持分を決めるより、各戸平等に持分を同じとしたりするような場合が挙げられます。

ただ「前3項の規定」ということですから、第3項(内のり主義)も規約で別段の定めができますが、標準管理規約では「共有持分の割合の基準となる面積は、壁心計算(界壁の中心線で囲まれた部分の面積を算出する方法をいう。)によるものとする。」(第10関係コメント①)とされている。