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不動産登記法77条(所有権の登記の抹消)
【解説】
1.共同申請主義の例外
共同申請主義には例外があります。つまり、登記権利者が単独で申請できる場合です。
2.所有権の登記の抹消
共同申請といっても、登記義務者がもともといない場合は、共同申請しようがありません。
本条の「所有権の登記の抹消」は、「所有権の移転の登記がない場合に限り」となっているところから分かりますように、所有権移転登記がなされていない、保存登記の抹消ということになります。
通常の所有権の登記の抹消の場合は、たとえばA→Bと所有権移転登記がなされ、従前の所有権の登記名義人(A)が所有権の移転登記の抹消をしようとする場合、従前の所有権の登記名義人(A)を登記権利者、現在の所有権の登記名義人(B)を登記義務者として、共同して所有権移転登記を抹消することになります。
しかし、Aが保存登記をしているだけで、他人に売却していない状態では、登記義務者が存在しないことになりますから、この場合にはAが単独で所有権の登記を抹消することができます。