不動産登記法40条(分筆に伴う権利の消滅の登記)

【解説】

分筆の登記は、合筆の登記と異なり、「所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地」について分筆できないということはありません。

たとえば、抵当権の登記のある土地を分筆しても、分筆後のそれぞれの土地について抵当権を残せばいいわけですから、このような分筆も可能です。

ただ、この場合一つの不動産に対する抵当権が、2つの不動産に対する抵当権になるので、共同担保という形になります。このときに、以前は申請情報として共同担保目録を提供する必要があったんですが、法改正により現在は共同担保目録を提供する必要はなくなりました。

ところで、上図を見ていただきたいんですが、今、甲地を分筆するとします。その際、甲地の登記記録をそのまま残し、乙地の登記記録を新たに開設するとします。つまり、甲地(分筆前)→甲地(分筆後)+乙地になるというわけですね。この場合に、分筆の登記の申請情報(申請書)として記載する分筆前の土地の地積は、登記記録上の地積と一致している必要があります。

これは、「申請情報の内容である不動産又は登記の目的である権利が登記記録と合致しないとき」というのは、登記の申請の却下事由になるからです(25条6号)。難しく考える必要はありません。申請書には、「前の地積をそのまま書け」ということですよね。

そして、分筆後の甲地の登記記録には、地積の減少を表題部に記載しそのまま利用します。

そして、新たに開設される乙地の登記記録には、甲地の権利に関する登記をそのまま転記します。この転記する際には、抹消された登記は転記されません。これは「登記官は、登記を移記し、又は転写するときは、法令に別段の定めがある場合を除き、現に効力を有する登記のみを移記し、又は転写しなければならない。」という規定があるからです(不動産登記規則5条1項)。

このように、分筆がなされても、抵当権のような所有権の登記以外の権利に関する登記も、基本的にはそのまま残りますが、これらの所有権の登記以外の権利が消滅するときは、抵当権者等の承諾を証する情報又は裁判があったことを証する情報が必要になります(本条)。