不動産登記法29条(登記官による調査)

【解説】

1.登記官の実質的調査権と形式的審査権

登記官は登記を受け付けるにあたって審査します。その審査については、表示の登記と権利の登記では違いがあります。

表示の登記については、申請義務もあり、ちゃんと申請してもらわないといけませんので、登記官は実質的審査権があります。

実質的審査権というのは、その登記が本当かどうかを審査できるということで、表示登記の場合ですと、実地調査もできるという意味です。

しかし、権利の登記の場合は、登記官は形式的審査権しかありません。

形式的審査権というのは、要するに書類上不備がないかどうかを形式的に審査するだけだという意味です。権利の登記ですから、たとえば売買による所有権移転登記の申請があった場合に、本当に当事者間に売買契約があったかどうかまでは調べないという意味です。

ただ、これでは虚偽の登記のおそれが出てきますので、それを補うものとして、「共同申請主義」というのがあります。